妹が名に(よみ人しらず)

短歌 に関する記事

妹が名に 懸けたる桜 花咲かば
常にや恋ひむ いやとしのはに よみ人しらず

■ 訳

あの人の名と同じ桜の花が咲いたら、毎年あの人のことを想い出すことだろう。

■ 解説

「妹」は貴女とか恋人といった意味に、「としのは」は毎年をそれぞれ意味します。
桜の花が咲くたびに桜の名前が入った桜児のことを想い慕うだろうという意味になります。

■ この詩が詠まれた背景

万葉集第十六巻(3787首目)に記載されている短歌です。
前回と同様、桜児伝説にまつわる詩で、桜児と恋仲になるため争ったもう一人の男性が詠んだ詩です。
こちらでは失った桜児への想いと未練が綴られています。

■ 豆知識

原文では「妹之名尓 繋有櫻 花開者 常哉将戀 弥年之羽尓」となっており、「花開者」の部分は花散らば、とも読まれることがあります。

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