今こむと(素性法師)

短歌 に関する記事

今こむと いひしばかりに 長月の
有明の月を 待ちいでつるかな 素性法師

■ 訳

今から行くよ、と言った言葉を信じて、9月の(長い)夜ずっと待っていたけど、気づいた時には夜が明けてたよ。

■ 解説

「今こむと」は今からいくよ、「いひしばかりに」は言った言葉を真に受けたばかりに、「長月の」は旧暦の9月で現在の10月相当で夜長月として長い夜、「有明の月」は明け方の月、「待ちいでつるかな」は待っていたら出てきた、即ち、夜明けに月が昇った様子をそれぞれ意味しています。
「こむ」という表現から、男性を待つ女性を詠んだ歌といわれています。

■ この詩が詠まれた背景

この歌は古今和歌集 第十四巻(恋歌四 691首目)、小倉百人一首の第二十一首目に記載されている歌です。

何時とも知れない約束に待ちぼうけを食ってしまった女性の気持ちを代弁して歌にしたものでしょう。

■ 豆知識

素性法師(俗名:良岑玄利)は三十六歌仙の一人です。
ちなみに素性には由性という兄がいます。(由性法師は、後に紫式部が生まれ育ったといわれる雲林院の別当となります。)

素性の父は、百人一首で12首目を詠んだ僧正遍昭で、遍昭がまだ僧になる前に出来た子供です。
自ら出家したわけではなく、父親の命令で僧侶にさせられたようです。

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