あしびきの(紀貫之)

短歌 に関する記事

あしびきの 山下水は 行き通ひ
琴のねにさへ 流るべらなり 紀貫之

■ 訳

山のふもとを流れる(涼やかな)水が、まるで琴の音にのってこちらまで流れてくるみたいだ。

■ 解説

「あしびきの」は枕詞で、敢えて訳すなら足を引っ張って上らなければならないような高い山のこと、「山下水」は山のふもとを流れる水。、「流るべらなり」は流れるようだ、となります。
後撰和歌集の題名から清原深養父の琴の演奏を聴き、それを聞いた紀貫之が感想を詩にして述べたものです。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は後撰和歌集 第四巻(夏歌 168首目)に収録されています。
題名に、「夏の夜深養父が琴ひくを聞きて」「同じ心を」と書かれており、琴の名手であった清原深養父の演奏を聴いて詠んだ詩となります。

■ 豆知識

作者は紀貫之(きのつらゆき)で、小倉百人一首では三十五首目に選歌されています。

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