恋すてふ(壬生忠見)

短歌 に関する記事

恋すてふ 我が名はまだき 立ちにけり
人知れずこそ 思ひ初めしか 壬生忠見

■ 訳

誰にも気づかれないよう、(貴女を)想いはじめたばかりだというのに、早くも私が恋をしているという噂が立ってしまったよ。

■ 解説

「恋すてふ」は恋しているという、「我が名」は私の評判、噂、「まだき」は早くも、を意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は拾遺和歌集 第十一巻 (恋歌一 621首目)、小倉百人一首の第四十一首目に収録されています。
拾遺和歌集の題に「天暦の御時の歌合」と書かれてあることから、清涼殿で開催された天徳内裏歌合の場で詠われたものです。

■ 豆知識

作者は壬生忠見(みぶのただみ)で三十六歌仙の一人です。
父親は壬生忠岑(みぶのただみね)で三十六歌仙の一人、小倉百人一首では30首目に登録されています。

初めて当時の天皇である村上天皇に呼ばれた際、「お金が無く馬が買えないため、乗り物が無くそちらに伺うことができません。」と答えたそうですが、その際、天皇は戯れに「だったら竹馬に乗って来なさい」と答えたそうで、それを伝えられた忠見は「竹馬は節鹿毛にしていと弱し 今夕かげに乗りて参らん」(現代訳すると竹馬は鹿毛(馬の毛色の一種)が節になっておりとても弱いので、これから夕日でできた影に乗って伺います(つまり歩いて行きます)。)と返したそうです。

忠見は天徳内裏歌合で4回歌を詠んでおり、結果は1勝2敗1引き分けでした。
ライバルである平兼盛とは3回対戦し、結果1勝2敗であったため、出世の道が絶たれたと思った忠見は悶死したという伝説が残されています。

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