あはれとも(謙徳公)

短歌 に関する記事

あはれとも いふべき人は 思ほえで
身のいたづらに なりぬべきかな 謙徳公

■ 訳

同情をしてくれる人は、(貴女の)他に誰も思い浮かばない。
私はきっとひっそり虚しく死ぬことでしょう。

■ 解説

「あはれとも いふべき」は可哀想だ言ってくれそうなとなり、同情してくれそうな、「思ほえで」は思い浮かばない、「いたづらに」は虚しい、「なりぬべきかな」は、なってしまうだろう、といった意味になります。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は拾遺和歌集 第十五巻(恋歌五 950首目)、小倉百人一首の第四十五首目に収録されています。
題に「物いひ侍りける女の後につれなく侍りて更にあはず侍りければ」(言い寄ってきた女性の態度が徐々に冷たくなり、さらに逢うことも無くなったので)とあることから、当初アツアツだった仲が冷めてしまったので、今一度振り返ってもらうために詠んだものでしょうか。
この詩には後日談があり、相手から返事が返ってきています。それについては後日記載します。

■ 豆知識

作者は藤原伊尹(ふじわらのこれただ(「これまさ」とも読むそうです))で、別称は一条摂政です。
父は三条右大臣 藤原定方で、小倉百人一首 25首目に収録されています。

大変賢く、眉目秀麗、且つお金持ちで贅沢好きだったことが伝えられており、寝殿が黒ずんでいることを理由に、当時大変高価であった陸奥紙(椿を原料とする高級和紙)で部屋を張り替えさせたと言う話が残っています。

勅撰和歌集である後撰和歌集の編纂の管理者で、梨壺の五人を統括、指揮しました。

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