みかきもり(大中臣能宣)

短歌 に関する記事

みかきもり 衛士のたく火の 夜は燃え
昼は消えつつ 物をこそ思へ 大中臣能宜

■ 訳

御垣守である衛士が燃やす篝火のように、夜は(貴女への想いで)燃え上がり、昼は(貴女に逢えないことで)燃え尽きて消えてしまうほど、(貴女のことを)想っています。

■ 解説

「みかきもり」は御垣守で、宮中にある門を警備する役人を、「衛士」は門を守護する兵士を、「たく火」は焚く火、即ち篝火を、「物をこそ思へ」は恋をしてもの思いにふける様子、といった意味になります。
この詩は出会う前か出会った後かで印象が異なります。
出会う前を想定するなら夜、会いたくても会えない思いと会えなかった淋しさを想像できますし、出会った後なら逢瀬の際の燃え上がるような思いと昼の会えない寂しさを想像できます。
どちらが解釈として正しいかは不明ですが、夜通し燃え続ける炎と真っ白な灰に燃え尽きた炭を恋人、もしくは恋している人への想いとして比喩している点は共通しています。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は詞花和歌集 第七巻(恋上 225首目)、小倉百人一首の第四十九首目に収録されています。
「題志らず」とあるため詳細は不明ですが恋の詩です。

■ 豆知識

作者は大中臣能宜(おおなかとみのよしのぶ)で、三十六歌仙の一人です。

大中臣氏は大化の改新で活躍した中臣鎌足の甥で婿養子であった中臣意美麻呂の直系の血筋です。
元々大中臣氏は祭祀をつかさどった一族で、大中臣能宜も正四位下神祇大副(じんぎたいふ)に至り、祭主となっています。

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