あらざらむ(和泉式部)

短歌 に関する記事

あらざらむ この世のほかの 思ひ出に
今ひとたびの 逢ふ事もがな 和泉式部

■ 訳

(病気で)私もうだめ、死んじゃいそう。
この世の思い出にもう一度(貴方に)逢えたらいいのに。

■ 解説

「あらざらむ」は、居ない、「この世のほかの」は、この世ではないところから転じてあの世、「今ひとたびの」はもう一度、「逢ふ事もがな」は逢えたらなぁ、といった意味になります。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は後拾遺和歌集 第十三巻(恋三 763首目)、小倉百人一首の第五十六首目に収録されています。
題に「心地れいならず侍りけるころ人のもとにつかはしける」(病気で調子が悪くなっていた(「れいならず」は普通で無い様子を指します)頃に(意中の)男性の元に使いを送った)と書かれています。

■ 豆知識

作者は和泉式部(いずみしきぶ)で、中古三十六歌仙、女房三十六歌仙の一人です。 娘は小式部内侍(こしきぶのないし)で、女房三十六歌仙の一人に選ばれており、小倉百人一首にも選歌されています。

恋多き女性、というかプレイガールとして有名で、橘道貞の妻だった頃に為尊親王と付き合い(不倫し)、それが発覚したことで親兄弟から勘当されています。
また、為尊親王が早世した後、今度は為尊親王の兄弟である敦道親王と付き合い、敦道親王の正妻が家出、離婚する原因を作りました。
このようなことから、藤原道長からは「浮かれ女」(尻軽)と評され、また紫式部は紫式部日記によると、「和泉式部といふ人こそ、おもしろう書きかはしける。されど、和泉はけしからぬかたこそあれ。」(和泉式部という人は面白く(詩を)書く。だけど和泉はとんでもないやつだ。)などと書かれています。

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