有馬山(大弐三位)

短歌 に関する記事

有馬山 いなのささ原 風吹けば
いでそよ人を 忘れやはする 大弐三位

■ 訳

有馬山近くの猪名の笹原に風が吹くと(必ず)そよそよと風になびくように、私の心も(貴方からの連絡があれば必ずその想いに)答えるに決まってるじゃない。
まったくもう、どうして貴方のことを忘れるなんて思うの。

■ 解説

「有馬山」は有馬三山(歌枕)を、「いなのささ原(猪名の笹原)」は現在の兵庫県伊丹市昆陽池あたり(歌枕)を、「いで」はまったく、「そよ」はそれ(代名詞)と風によって葉の擦れ合うそよそよという音を掛けた言葉、「やはする」はどうして〜しようものか(反語)、といった意味になります。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は後拾遺和歌集 第十二巻(恋二 709首目)、小倉百人一首の第五十八首目に収録されています。
題に「かれがれになるをとこのおぼつかなくなどいひたりけるによめる」(離れ離れになった男性から「(今のあなたの気持ちが)よくわからなくて不安です」などと(手紙で)言ってきたので詠んだ)と書かれており、離れ離れになった男性から大弐三位が心変わりしていないか心配になって送ってきた手紙に対して詠んだものです。

■ 豆知識

作者は大弐三位(だいにのさんみ)で、中古三十六歌仙の一人、紫式部の娘です。
本名は藤原賢子(ふじわらのけんし)で、当時としては大変長生き(83歳)しました。

夫は高階成章でその玄孫には高階栄子(丹後局)が居ますが、大弐三位と血のつながりはありません。

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