春の夜の(周防内侍)

短歌 に関する記事

春の夜の 夢ばかりなる 手枕に
かひなくたたむ 名こそ惜しけれ 周防内侍

■ 訳

春の夜の夢のような、ちょっとした(貴方の)腕枕のせいで、つまらない噂でも立ってしまったら、悔しいではありませんか。

■ 解説

「春の夜の夢」はストレートに春の夜の夢と、儚いものの例えを掛けた言葉、「ばかりなる」は〜のような、「手枕」は腕枕、「かひなく」は、何にもならない(甲斐なく)と腕(かいな)を掛けた言葉、「たたむ」は(噂が)立ってしまったら、「名こそ惜しけれ」は名誉が惜しい、といった意味になります。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は千載和歌集 第十六巻(雜歌上 961首目)、小倉百人一首の第六十七首目に収録されています。
題に「二月ばかり月のあかき夜二條院にて人々あまたゐあかして物語などし侍りけるに、内侍周防よりふして枕をがなと忍びやかにいふを聞きて、大納言忠家是を枕にとてかひなをみすの下よりさし入れて侍りければよみ侍りける」(二月頃、月の明るい夜に二条院に多くの人が集まり夜を通して語り明かしている中で、周防内侍が「枕がほしいの」という話を聞いて、藤原忠家が「じゃあ、私を枕にするか?」と腕をすだれの下から差し入れた時に詠んだ)とあります。

■ 豆知識

作者は周防内侍(すおうのないし)で、女房三十六歌仙のひとりで女性です。
本名は平仲子(たいらのちゅうし)で、桓武平氏(高棟流)の血筋に当たります。

栄花物語は複数の女房により書かれた作品と言われていますが、その続編の作者の一人といわれています。

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