うかりける(源俊頼朝臣)

短歌 に関する記事

うかりける 人をはつせの 山おろしよ
はげしかれとは 祈らぬ物を 源俊頼朝臣

■ 訳

私の心を悩ます貴女が想ってくれるよう初瀬へ参ったところ、まるで初瀬山の山おろしのように、より冷たくなってしまった。
もっと辛く当たってくれ、なんて祈らなかったのになぁ。

■ 解説

「うかりける」は憂かりけるから心悩ます、「はつせ」は初瀬(歌枕:奈良県桜井市)のお寺(長谷寺)の事と初瀬山の両方を、「山おろし」は山から吹きおりる風、「よ」は〜だよ、「はげしかれ」は激しくなれ、といった意味になります。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は千載和歌集 第十二巻(恋歌二 707首目)、小倉百人一首の第七十四首目に収録されています。
題に「權中納言俊忠の家に戀十首の歌よみ侍りける時いのれどもあはざる戀といへる心を」(藤原俊忠の家で恋の歌を十首、「祈っても(想い人に)逢えない恋」のテーマで詠んだもの)と書かれています。

■ 豆知識

作者は源俊頼(みなもとのとしより)で、源経信の息子です。
父である源経信も小倉百人一首に選歌されています。

歌人として優れた業績を残しており、勅撰和歌集には201首も入集しています。
俊頼は革新的な歌風で知られていますが、その集大成ともいえる家集、散木奇歌集には俗語や奇語、万葉語なども交えた大変個性的な詩が載せられています。
また、俊頼が書いた歌論書である俊頼髄脳には作歌のマニュアルともいえる内容で、和歌の故事、美しい言葉の使いどころや秘訣などが書かれています。

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