淡路島(源兼昌)

短歌 に関する記事

淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に
いく夜ねざめぬ 須磨の関守 源兼昌

■ 訳

淡路島に渡る千鳥の(寂しげな)鳴き声に、須磨を守る関守は(寂しくなって)、何度も目覚めさせられただろうね。

■ 解説

「淡路島」は四国と関西の間に瀬戸内海の島、「かよふ」は通う、「千鳥」はチドリ科の小さな鳥(妻や子や友に会う為に鳴くと言われています)、「いく夜ねざめぬ」は夜に何度目覚めさせられたことか、「須磨の関守」は神戸市須磨区にあったとされる関所の守人(須磨は歌枕)、といった意味になります。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は金葉和歌集 第四巻(冬歌 288首目)、小倉百人一首の第七十八首目に収録されています。
題に「關路千鳥といへる事をよめる」(関路の千鳥という題で詠んだ)とあります。

■ 豆知識

作者は源兼昌(みなもとのかねまさ)で忠通家歌壇で活躍した歌人です。 宇多源氏で永久百首(堀河次郎百首)の作者の一人ですが、生没年不詳で詳しいことはほとんどわかっていません。

千鳥が足を左右踏み違えて歩く様子から、「千鳥足」と言う言葉が生まれました。

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