よもすがら(俊恵法師)

短歌 に関する記事

よもすがら 物思ふころは 明けやらぬ
のひまさへ つれなかりけり 俊恵法師

■ 訳

最近は夜通し(貴女のことを)想ってしまって、寝付けないので、寝室のわずかな隙間でさえ、冷たく無情に感じてしまうよ。

■ 解説

「よもすがら」は一晩中、あるいは夜通し、「物思ふころは」、(あなたを)想う今日この頃、「明けやらぬ」は(なかなか夜が)明けない、「閏のひま」は寝室の隙間、「つれなかり」はつれない(無情な)ものだ、といった意味になります。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は千載和歌集 第十二巻(恋歌二 766首目)、小倉百人一首の第八十五首目に収録されています。
題には「戀の歌とてよめる」と書かれています。

■ 豆知識

作者は俊恵(しゅんえ)で、父は書家としても有名で百人一首にも歌が収録されている源俊頼です。
17歳で父と死別、その後東大寺の僧となりました。
後に白川(京都市左京区北白川周辺)にある僧房を「歌林宛」として開放し、多くの歌人を集めて歌会・歌合を行い、後の歌壇に多大な影響を与えました。

方丈記の作者として有名な鴨長明は俊恵の弟子です。

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