おほけなく(前大僧正慈円)

短歌 に関する記事

おほけなく うき世の民に おほふかな
我が立つ杣に 墨染めの袖 前大僧正慈円

■ 訳

大変おこがましい事だけど、世の中のみんなを比叡山に立つ私が、この法衣で守ってあげたいなぁ。

■ 解説

「おほけなく」は不相応だけれど、恐れ多い、「うき世」は浮世、つまり現世を、「おほふ」は覆いかける、「杣」は杣山、つまり比叡山を、「黒染め」は僧衣の袖、といった意味になります。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は千載和歌集 第十七巻(雜歌中 1137首目)、小倉百人一首の第九十五首目に収録されています。
千載和歌集では「題志らず」となっているためよくわかりませんが、文治三年(1187年)に作られたとされる日吉百首に掲載があることから、20代後半〜30代前半の理想に燃えていた頃に詠まれた詩と思われます。

■ 豆知識

作者は慈円(じえん)で、藤原忠通の子(十一男)です。
歴史書、愚管抄を書き記しました。
父である忠通も小倉百人一首78首目に詠まれています。

38歳で仏教における最高権威である天台座主になります。
天台座主にはその後も就任しており、生涯に四度も就任しました。

越天楽今様の作詞家でもあります。

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