花さそふ(入道前大政大臣)

短歌 に関する記事

花さそふ 嵐の庭の 雪ならで
ふり行くものは 我が身なりけり 入道前大政大臣

■ 訳

桜の花を吹き散らしている春一番が吹く庭は、まるで雪が降るようだけれど、散り行く花はまるで年を取った私のようだ。

■ 解説

「花さそう」は桜の花を誘う、「嵐の庭の 雪ならで」は嵐の吹く庭の雪ではないけれど、「ふり行くものは」は「古い」と「降り」をかけたもので老いてゆくを、「我が身なりけり」は私のようだ、といった意味になります。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は新勅撰和歌集 第十六巻(雜歌一 1054首目)、小倉百人一首の第九十六首目に収録されています。
題に「落花をよみ侍りける」(花が落ちる様子を詠んだ)とあります。

■ 豆知識

作者は西園寺公経(さいおんじきんつね)で、新三十六歌仙の一人、西園寺家の4代目ですが、実質的な祖とされています。
ちなみに、小倉百人一首を選歌した藤原定家は、公経の姉が定家に嫁いだため、公経の義兄に当たります。

処世術に長けた人物で、時勢に合わせ主君が9回も変わっており(高倉天皇→安徳天皇→後鳥羽天皇→土御門天皇→順徳天皇→仲恭天皇→後堀河天皇→四条天皇→後嵯峨天皇)、また鎌倉幕府に付いて、承久の乱の際に情報を幕府に送ることで幕軍を勝利に導きます。
乱後はさらに鎌倉幕府との結びつきを強くし、実朝が暗殺された後は外孫である藤原頼経を4代将軍に押したり、朝廷内の人事を意のままに操ったことから、平経高が記した日記、平戸記にはその死に関し、「世の奸臣」と書かれています。

西園寺の家名は公経が西園寺を建立したことによります。

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