ふる雪の(藤原敏行朝臣)

短歌 に関する記事

ふる雪の みのしろ衣 うちきつつ
春きにけりと 驚かれぬる 藤原敏行朝臣

■ 訳

雪が降るような真っ白い蓑代衣(蓑の代わりに着る衣服のこと)を袿(うちき:平安時代の下着)の上に着たのだけれど、あまりにも暖かくてもう春が来たんだなぁって、はっと気がついたよ。

■ 解説

「ふる雪の」は雪の降るような(白い)、「みのしろ衣」は蓑代衣と書き、蓑の代わりに着ていた粗末な服、「つちきつつ」は袿(平安時代直衣(のうし)狩衣(かりぎぬ)の下に着ていた服)を着つつ、と内に着つつ、あるいは(春が)来つつとの掛詞、「春きにけりと」は春がやってきたのだなぁ(感嘆)、「驚かれぬる」ははっと気がつく様子、といった意味になります。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は後撰和歌集 第一巻(春歌上 第1首目)に収録されています。
題に「元日に二條のきさいの宮にて白き大袿を給はりて」(元旦、二条后(藤原高子)に祝儀として白い大袿を戴いた時詠んだ)と書かれています。

■ 豆知識

作者は藤原敏行(ふじわらのとしゆき)で三十六歌仙の一人です。
小倉百人一首には18首目に「住の江の」から始まる歌が収録されています。

■ 関連地図


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