やせ蛙(小林一茶)

俳句 に関する記事

やせ蛙 まけるな一茶 これにあり 小林一茶

■ 訳

(カエルが喧嘩している様子を見て)ちっちゃいカエル、負けるな!私が応援してるぞ!

■ 解説

特に現代語訳して説明する項目はありませんが、ここでのカエルはヒキガエル(アズマヒキガエル)だそうです。
季語は「蛙」で、通常春の季語ですが、ヒキガエル(ガマガエル)は夏の季語になります。
この詩が詠まれた岩松院には碑が建てられており、文化13年(1816年)4月20日(新暦で5月16日)に詠まれたものであることが分かっています。

■ この詩が詠まれた背景

この詩を詠んだ時、一茶は54歳でした。
一茶は20代で白髪が生えており、その風貌からあまりモテなかったようで、従兄の薦めで52歳で初めて28歳下の妻である菊と結婚するまでずっと独身でした。
菊は文化13年4月14日に男の子(千太郎)を出産しますが、大変な虚弱児であったようです。
この詩は生まれたばかりの子の姿を重ねたものだと言われています。

■ 豆知識

作者は小林一茶で、本名は小林弥太郎です。

千太郎は出産後ひと月足らずで亡くなってしまいます。
その後、菊との間に「さと」、「石太郎」、「金三郎」が生まれますが、いずれも早逝してしまいました。
また、菊も痛風に罹り37歳で亡くなってしまいます。
一茶はその後、武家の娘である「田中雪」と再婚しますが、半年で離婚。
64歳になり、32歳年下の「宮下やを」と再婚し、娘「やた」が生まれますが、子の誕生を見る前に脳卒中で亡くなっています。

やたは幕末の動乱期を無事乗り切り、その子孫は現在もご健在とのことです。

■ 関連地図

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