木の間より(喜撰)

短歌 に関する記事

木の間より 見ゆるは谷の 蛍かも
いさりに海人の 海へ行くかも 喜撰

■ 訳

木々の間から見える光は谷を飛ぶ蛍かな。
それとも漁のため海に(舟を出して)いる漁師たち(の漁火)なのかな。

■ 解説

「かも」は〜だろうか、「いさり」は漁をすること、「海人」は漁師をそれぞれ意味しています。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は玉葉和歌集 第三巻(夏 400首目)に収録されています。
題がないため詳細は不明ですが、蛍が飛んでいるという表現から夜であり、直接詠まれているわけではありませんが、それと比喩する形で漁火(魚を集めるために焚く篝火の事)を使う光景が浮かび上がってきます。

■ 豆知識

作者は喜撰法師で六歌仙の一人です。
小倉百人一首には、「我が庵は」から始まる詩が選歌されています。

宇治市の喜撰山には喜撰洞と呼ばれる洞があり、そこには喜撰法師像が奉られています。

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