年くれぬ(西行法師)

短歌 に関する記事

年くれぬ 春くべしとは 思ひねに
まさしく見えて かなふ初夢 西行法師

■ 訳

年が暮れて、(明日から)春がやってくるだろうなぁ〜って思いながら寝たんだけど、初夢で見たことが叶ったんだよ!ホントだよ!

■ 解説

「年くれぬ」は年が暮れてしまった(「ぬ」は完了形)、「春くべしとは」は春が来るだろうと(推量)、「思ひね(思ひ寝)」は思いながら寝ること、「かなふ」は(願いが)叶う、をそれぞれ意味しています。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は山家集 卷上(1首目)に収録されています。
題に「立春の朝よみける」と書かれてあることから、旧暦において立春と元旦が重なる日に詠まれた詩ではないかと思われます。
(旧暦では、立春と元旦が近い日になっていますが、完全に重なっているわけではありません。)

■ 豆知識

作者は西行法師です。
この詩は山家集という西行法師の私家集で、数多くの詩が載せられています。
小倉百人一首に選歌されている「嘆けとて」も「月」という題で掲載されています。
ちなみに、山家集は六家集の一つです。

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