夏山の(藤原盛房)

短歌 に関する記事

夏山の 青葉まじりの おそ櫻
はつ花よりも めづらしきかな 藤原盛房

■ 訳

夏になって新緑に彩られた山に、遅咲きの桜が咲いたよ。
咲きはじめの桜の花よりも新鮮だなぁ。

■ 解説

「夏山の」は草木が青々と茂った山、「青葉」は新緑、「おそ櫻」は遅咲きの桜、「はつ花」は咲き始めの桜、「めづらし」は目新しい、新鮮、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は金葉和歌集 第二巻(夏歌)に収録されています。
題に「二條關白の家にて人々殘花の心をよませ侍りけるによめる」(関白、藤原師通の家で名残の花の趣を詠むよう仰せつかった際に詠んだ)とあります。

■ 豆知識

作者は藤原盛房(ふじわらのもりふさ)です。
生没年不詳でよくわかっておりませんが、寛治6年(1092年)に肥後守に任じられています。

平家物語に「青葉がくれの遅桜初花よりもめづらかに。」と、この詩を参考にしたと思われる記述があります。

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