香具山と(中大兄)

短歌 に関する記事

香具山と 耳成山と 闘ひし時
立ちて見に来し 印南国原 中大兄

■ 訳

天香久山と耳成山の戦いを、(阿菩大神が)印南国原まで見に来たそうだ。

■ 解説

「香具山」、「耳成」は大和三山(天香久山、耳成山)、「闘ひし時(あひしとき)」は争っているとき、「印南国原(いなみくにはら)」は現在の兵庫県(印南郡:高砂市と姫路市、加古川市の一部)、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は万葉集 (第一巻 14首目)に収録されています。
前回の反歌です。
この詩には誰が来たのか主語が無いのですが、この話は播磨国風土記に記されている、阿菩大神(アボノオオカミ)の事を指すとされています。

■ 豆知識

作者は天智天皇で第38代天皇です。

詩中には登場していない阿菩大神ですが、争いの話を聞き、はるばる出雲から天香久山と耳成山の仲裁に向かいます。
しかし、道中(播磨国揖保郡)で争いが終わったことを知り、ふてくされて乗ってきた船をひっくり返し、その地に居座ったそうです。
元々その地は林田の里と呼ばれていたそうですが、「神が居座った」ことから「神の阜(おか)」となり「上岡の里」と呼ばれるようになったとされています。
ちなみに島根の方言に「イボる」という言葉があり、すねるという意味だそうです。
これは「揖保」でふてくされた阿菩大神が語源と言われています。

■ 関連地図

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