いその神(そせい)

短歌 に関する記事

いその神 ふるき宮この 郭公
声ばかりこそ むかしなりけれ そせい

■ 訳

布留にある石上(寺)、昔住んでいた寺で鳴いているホトトギス、その鳴き声だけは以前と変わらないようだよ。

■ 解説

「いその神」は現在の石上神宮周辺、「ふる」は布留(石上:布留は歌枕)、「ふるき宮こ(ふるきみやこ)」は石上寺(素性がいたとされる寺で現在は廃寺となっており、いくつか候補地は挙げられていますが正確な場所はわかっていません)、「郭公(ほととぎす)」はホトトギス、「声ばかりこそ むかしなりけれ」は声だけは昔のようだ(係り結び)、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は古今和歌集 第三巻(夏歌 144首目)に収録されています。
題に「ならのいその神でらにて郭公のなくをよめる」(奈良の石上寺でホトトギスが鳴いたのを聞いて詠んだ)とあります。

■ 豆知識

作者は素性(そせい)で三十六歌仙の一人で、遍昭 (へんじょう) の子、桓武天皇の曾孫のひ孫にあたります。 小倉百人一首には21首目、「今こむと…」が選歌されています。

石上寺の場所について、石上神宮近くにある奈良県天理市布留町90の厳島神社(良因寺跡が残っています)説、奈良県奈良市法蓮町517にある不退寺説の二説があります。
この詩にある言葉の掛りや、良因寺で父である遍昭が小野小町と呼んだとされる詩が後撰集に載っている事から、個人的には厳島神社であろうと思っています。

ちなみに、厳島神社の近くにある石上神宮は日本最古の神宮です。
祭神はフツノミタマノオオカミでご神体である布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)に宿るとされています。
多くの神宝が収められていたとされていますが、信長による焼き討ちなどからそのほとんどが焼失、紛失したとされています。

■ 関連地図

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