■ 解説
「冬こもり(冬籠り)」は、寒い冬の間、動植物が活動をひかえること(春、張るに掛る枕詞)、「春さり来れば」は春がやってくれば、「黄葉(もみじ)」は紅葉、「そこし」はそこが(強調)、「恨めし」は憎い、をそれぞれ意味します。
■ この詩が詠まれた背景
この詩は万葉集 第一巻(16首目)に収録されています。
題に「近江大津宮御宇天皇代 天命開別天皇謚曰天智天皇」(近江大津宮で治世を行われていた天皇代 天智天皇)、「天皇詔内大臣藤原朝臣競憐春山萬花之艶秋山千葉之彩時額田王以歌判之歌」(天皇のお言葉として大臣である藤原鎌足が春の山に咲く百の花と秋の山を彩る千の紅葉を競った際、額田王が歌を詠んで判定をくだした。)とあります。
■ 豆知識
作者は額田王です。
題に藤原鎌足が登場していますが、藤原姓になったのは鎌足が亡くなる前日です。
内大臣に指名されるのも、その日の事です。
ちなみに、名字である「藤原」は地名姓です。
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