夏山に(よみ人しらず)

短歌 に関する記事

夏山に なく郭公 心あらば
物思ふ我に 声なきかせそ よみ人しらず

■ 訳

夏の山で鳴いているホトトギス、もしお前に情けがあるなら、思い悩んでいる私には声を聞かせないでくれないか。

■ 解説

「夏山(なつやま)」は夏の山、「郭公(ほととぎす)」はホトトギス、「心あらば」は情があるなら、「物思ふ」は思い悩んでいる、「きかせなそ」はどうか聞かせないでほしい(禁止)、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は古今和歌集 第三巻(夏歌 145首目)に収録されています。
「題しらず」となっているため、題はありません。

■ 豆知識

よみ人しらずとなっているため、作者は不明です。

この詩では文末の「きかせなそ」が曲者です。
禁止であることに気づかないと、全く別の意味になってしまうのでご注意ください。

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