けふもけふ(伊勢大輔)

短歌 に関する記事

けふもけふ 菖蒲も菖蒲 變らぬに
宿こそありし 宿と覺えね 伊勢大輔

■ 訳

昨年の五月五日と今日の五月五日、(以前住んでた場所に生えていた)アヤメと(今住んでいる)アヤメ。
何も変わっていないのに、(なぜ今住んでいる)家は(去年までの)長い年住んできた家と同じとは思えないのかしら。

■ 解説

「けふ」は今日(題詞から、引っ越す前の年の同日を比較しているものと思われます。)、「菖蒲(あやめ)」はアヤメ、「變らぬに」は変わらないのに、「ありし 宿」は以前住んでいた家、「覺え」は感じ、感覚、「ね」はではない(打消)、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は後拾遺和歌集 第三巻(夏歌)に収録されています。
題に「年頃すみ侍りけるところはなれてほかにわたりて又のとしの五月五日によめる」(長年住んでいたところを離れて、他の場所に引っ越した翌年の(旧暦)5月5日に詠んだ。)とあります。

■ 豆知識

作者は伊勢大輔(いせのたいふ)で、平安時代中期の女流歌人、中古三十六歌仙、女房三十六歌仙の一人です。
小倉百人一首では61首目に選歌されています。

小倉百人一首の49首目、「みかきもり 衛士のたく火の 夜は燃え…」を詠んだ梨壺の五人の1人である大中臣能宣は伊勢大輔の祖父にあたります。
とはいえ、この詩は大中臣能宣の詠んだものではないという説が有力だそうです。

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