夏の夜の(きのつらゆき)

短歌 に関する記事

夏の夜の ふすかとすれば 郭公
なくひとこゑに あくるしののめ きのつらゆき

■ 訳

夏の(短い)夜、眠ったかと思ったらホトトギスの鳴く一声で目が覚めてしまった。
気が付くと、もう夜明けだったよ。

■ 解説

「ふす」は寝る、「郭公(ほととぎす)」はホトトギス、「あくる」はその次の(翌)、「しののめ」は明け方(曙の同じぐらいの時間帯)、をそれぞれ意味します。
夏の「短夜」を詠んだ詩なので、鶏のような目覚ましのように起こされたわけではありません。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は古今和歌集 第三巻(夏歌 156首目)に収録されています。
題に「寛平御時きさいの宮の哥合のうた」(寛平御時后宮歌合で詠まれた歌)とあります。

■ 豆知識

作者は紀貫之で三十六歌仙の一人、土佐日記の作者、古今和歌集の撰者の一人として知られています。

土佐日記は平仮名が使われた日記として知られていますが、公的文章としては藤原有年(ふじわらのありとし)が記した藤原有年申文が現在最古のものと知られています。

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