郭公(つらゆき)

短歌 に関する記事

郭公 人まつ山に なくなれば
我うちつけに こひまさりけり つらゆき

■ 訳

ホトトギスは(恋しい)人を待っている山で鳴くというのだから、私も(そんなホトトギスの声を聴いて)急に人恋しさが増したよ。

■ 解説

「郭公(ほととぎす)」はほととぎす、「人まつ山」は(愛しい)人の訪れを待つ山、あるいは末の松山(歌枕)、「なくなれば」は鳴くのだから、「うちつけ(打ち付け)」は急に、「こひまさりけり(恋増さりけり)」は人恋しさが増したよ(詠嘆)、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は古今和歌集 第三巻(夏歌 162首目)に収録されています。
題に「山に郭公のなきけるをききてよめる」(山でホトトギスが鳴いてるのを聞いて詠んだ)とあります。

■ 豆知識

作者は紀貫之で三十六歌仙の一人、土佐日記の作者、古今和歌集の撰者の一人として知られています。

「人まつ山」が歌枕である「末の松山」を指している根拠はありませんのでご注意ください。

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