夏と秋と(みつね)

短歌 に関する記事

夏と秋と 行きかふそらの かよひぢは
かたへすずしき 風やふくらむ みつね

■ 訳

夏と秋がすれ違う空の通り道の片側では涼しい風が吹くのだろう。

■ 解説

「かよひぢ」は通路、「かたへ」は片側、「らむ」は〜しているのだろう(推量)、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は古今和歌集 第三巻(夏歌 168首目)に収録されています。
題に「みな月のつごもりの日よめる」((旧暦の)6月最後の日に詠んだ)とあります。

■ 豆知識

作者は凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)で三十六歌仙の一人、古今和歌集の撰者の一人として知られています。

6月なのに秋の風を詠むのか、とお思いの方がいらっしゃるかもしれませんが、旧暦では立秋が6月後半から7月前半に相当します。
また、天保暦以前に制定された旧暦では処暑(2015年、新暦の場合、8月23日)が必ず旧暦7月に含まれるルールになっているため、秋の訪れを感じられるようになります。

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