みちのべに(西行法師)

短歌 に関する記事

みちのべに しみづながるゝ やなぎかげ
しばしとてこそ たちとまりつれ 西行法師

■ 訳

道端にきれいな小川が流れていて、それを柳が影で覆っている。
ちょっとだけ休もうと思っていたんだけど、すっかり長居しちゃってたよ。

■ 解説

「みちのべ」は道ばた、「しみづ」は岩の間から流れるきれいな水、「しばし」はしばらくの間、「とてこそ」は〜と思っていたのだけれど、「たちとまり」はその場にとどまる(”たち”は接頭語)、「つれ」は~してしまった(完了+已然形)、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は新古今和歌集 第三巻(夏歌 262首目)に収録されています。
題知らずとなっているため、題はありません。

■ 豆知識

作者は西行法師です。
前回のおくのほそ道の記述から、栃木県那須郡那須町芦野周辺を詠んだ詩と思われます。

ちなみに西行法師は芭蕉が旅に出るきっかけとなった人物でもあります。
芭蕉は西行法師の500回忌に当たる元禄2年(1689年)に旅に出ています。

■ 関連地図

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