河風の(つらゆき)

短歌 に関する記事

河風の すずしくもあるか うちよする
浪とともにや 秋は立つらむ つらゆき

■ 訳

川から吹く風がなんとも涼しいものだなあ。
(秋風で)打ち寄せて立つ波のように秋になったのだろう。

■ 解説

「すずしくもあるか」は涼しいものだ(詠嘆)、「うちよする」は打ち寄せる、「秋は立つらむ」は秋になったのだろう(推量)、をそれぞれ意味します。
「立つ」の意味には季節が変わるという意味もあるため、単に立秋になっただけでなく、実感として秋の訪れを感じているのかもしれません。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は古今和歌集 第四巻(秋歌上 170首目)に収録されています。
題に「秋たつ日、うへのをのこどもかものかはらにかはせうえうしけるともにまかりてよめる」(立秋の日、殿上人たちが賀茂川の河原を遊覧された時、伴としてついた際に詠んだ)とあります。
(ちなみに、”うへのをのこ”は殿上人を、”せうえう”(逍遥)は遊覧、行楽を意味します。)

■ 豆知識

作者は紀貫之(きのつらゆき)で三十六歌仙の一人、古今和歌集の撰者の一人として知られています。

題に書かれている「かものかはら」ですが、賀茂川なのか、鴨川なのか、それとも加茂川なのかはわかりません。
(1本の川なのですが、場所によって漢字表記が違います。)
とりあえず今回は鴨川、加茂川の上流にある賀茂川を関連地図に紹介しています。

■ 関連地図

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