きのふこそ(よみ人しらず)

短歌 に関する記事

きのふこそ さなへとりしか いつのまに
いなばそよぎて 秋風の吹く よみ人しらず

■ 訳

つい先日、苗を取り分けて田植えしたばかりだというのに、いつの間にか稲葉が秋風に吹かれてそよいでいるよ。

■ 解説

「きのふ」は昨日、先日、「さなへ(早苗)とり」は稲の苗を手に取る、「いなば」は稲の葉、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は古今和歌集 第四巻(秋歌上 172首目)に収録されています。
「題しらず」とあるため、詳細は不明です。

■ 豆知識

よみ人しらずとなっているため、作者は不明です。

この和歌は三舟の才で知られる藤原公任(ふじわらのきんとう)の記した和歌九品(わかくほん)や和漢朗詠集(わかんろうえいしゅう)にも載せられています。
和歌九品は上品上から下品下まで9段階に分類した歌集で、この詩は「中品下 少し思ひたる所あるなり。」と記されており、残念ながらあまり高い評価はされていません。

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