親思う(吉田松陰)

辞世の句 に関する記事

親思う 心にまさる 親心
けふのおとずれ 何ときくらん 吉田松陰

■ 訳

(子供である私が)親を思っている以上に(子である私を思う)親心とは強いものなのでしょう。
(私の両親は)今日(この手紙を読んで)どれほど悲しむことでしょうか。

■ 解説

「親思う 心」は(子供が)親を思う気持ち、「親心」は親が子を思う気持ち、「けふ」は(松陰の)手紙が両親の元に届いた日、を意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は安政の大獄で連座した吉田松陰が両親に送った手紙に書かれた辞世の句と言われています。
父である杉常道(すぎつねみち)は松陰が開いた松下村塾の最初の生徒になるなど、松陰の生活を支援していたようです。
なお、松陰はその生涯に妻を持つことも妾を作ることもなかったため、子はいませんでした。

■ 豆知識

作者は吉田松陰(よしだしょういん)です。
松下村塾を開き、明治維新を支える多くの人材を育てたことで知られています。

松陰が残したとされる辞世の句はもう一首あります。
「かくすれば かくなるものと 知りながら やむにやまれぬ 大和魂」
(こういうことをすれ(倒幕を広く訴え続けれ)ばこうなる(斬首刑となる)と知っていながら、止めたくても止められないのが大和魂だ。)
吉田松陰は江戸幕府が日米修好通商条約を無勅許で締結したことに激怒し、幕府こそが最大の障壁であると断じて討幕を訴えますが、結果捉えられて斬首刑に処せられます。
その志は塾生に引き継がれ、大政奉還を実現させるに至ります。

■ 関連地図

コメント

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。


コメントを書く

お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: