楽浪の(柿本人麻呂)

短歌 に関する記事

楽浪の 志賀の辛崎 幸くあれど
大宮人の 舟待ちかねつ 柿本人麻呂

■ 訳

さざなみの立つ志賀の辛崎の様子は今も変わりないけれど、(昔、都があった頃は)舟が待ちきれなくて(多くの人が並んでいたよ)。

■ 解説

「楽浪(さざなみ)」はさざ波の立つ、「志賀の辛崎(しがのからさき)」は現在の滋賀県大津市唐崎周辺を、「幸くあれど(さくあれど)」は変わりないけれど、「大宮人」は宮廷に仕える官人、「待ちかねつ」は待ちかねた(完了)、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は万葉集 第一巻(雜歌 30首目)に収録されています。
この詩は前回の反歌(補足)になります。
なお、もう一首反歌が詠まれています。

■ 豆知識

作者は柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)です。
三十六歌仙の一人で詩聖とも呼ばれています。
ちなみに柿本氏は孝昭天皇の血筋で、小野氏である小野小町とも遠縁の親戚ということになります。

人麻呂は島根県益田市にあった鴨島で亡くなったとされていますが、鴨島自体が現在存在していないため、検証が困難です。
鴨島については今から約1000年前に起こった万寿地震で発生した大津波により沈んだとされています。
研究結果によれば、地震自体が発生したのは間違いないようですが、島の特定は難しそうです。

■ 関連地図

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