年ごとに(凡河内みつね)

短歌 に関する記事

年ごとに あふとはすれど たなばたの
ぬるよのかずぞ すくなかりける 凡河内みつね

■ 訳

織姫とは毎年逢っているのに、ほんの少ししか同衾していないのだなあ。

■ 解説

「たなばた」は弟棚機、つまり織姫、「ぬるよ(寝る夜)」は共に寝る夜、「すくなかりける」はわずかしかないのだなあ(詠嘆)、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は古今和歌集 第四巻(秋歌上 179首目)に収録されています。
題に「なぬかの日の夜よめる」とあり、旧暦の7月7日に詠んだものです。

■ 豆知識

作者は凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)で、三十六歌仙の一人、古今和歌集の撰者の一人です。

前回の詩同様、年に一度しか会えない彦星の気持ちを詠んだものですが、表現がかなり直接的です。

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