楽浪の(高市黒人)

短歌 に関する記事

楽浪の 国つ御神の うらさびて
荒れたる都 見れば悲しも 高市黒人

■ 訳

さざ波の立つ(近江宮に)住まわれている(国津)神の心がすさんだために、荒れ果ててしまった都を見ると悲しいことだ。

■ 解説

「楽浪(さざなみ)」はさざ波の立つ(ここでは「近江宮」という場所を特定するために使用されています。)、「うらさびて」は心がすさんだために、「悲しも」は悲しいことだ(”も”は詠嘆)、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は万葉集 第一巻(雜歌 33首目)に収録されています。
この詩は前回の反歌です。

■ 豆知識

作者は高市黒人(たけちのくろひと)で、飛鳥時代の下級官吏、歌人です。

「国つ御神」は天孫降臨以前から国を治めていた土地神の事で、国譲り神話に登場する、大国主(おおくにぬし)や事代主(ことしろぬし)、建御名方神(たけみなかたのかみ)などが相当します。
土地神に敬意を払う行為は現在も地鎮祭といった形で目にすることができます。

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