かくばかり(みつね)

短歌 に関する記事

かくばかり をしと思ふ夜を いたづらに
ねてあかすらむ 人さへぞうき みつね

■ 訳

こんなに惜しいと感じる(ほど素晴らしい)夜は、無駄に寝て過ごす人まで恨めしいと思うよ。

■ 解説

「かくばかり」はこんなに、このように、「をし」は惜しい、勿体ない、「いたづらに(徒に)」は無駄に、つまらなく、「ねてあかす」は寝て(夜が明けるまで)過ごす、「うき」は恨めしい、つらい、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は古今和歌集 第四巻(秋歌上 190首目)に収録されています。
題に「これさだのみこの家の哥合のうた」とあることから、是貞親王歌合(これさだのみこのいえのうたあわせ)で詠まれた詩です。

■ 豆知識

作者は凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)で、三十六歌仙の1人、古今和歌集撰者の一人です。
小倉百人一首では29首目、「心あてに…」が選歌されています。

躬恒は多くの地方官を歴任しており、894年(寛平6)甲斐権少目(かいのごんのしょうさかん)、907年(延喜7)丹波権大目(たんばのごんのだいさかん)、延喜11年(911年)和泉権掾(いずみのごんのじょう)、延喜21年(921年)淡路権掾(あわじのごんのじょう)などが確認されています。

寝てしまうのが惜しいほど素晴らしい夜ということですので、満月が昇っているとか、虫の涼やかなが聞こえるとか、そういった状況が思い浮かびます。

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