白雲に(よみ人しらず)

短歌 に関する記事

白雲に はねうちかはし とぶかりの
かずさへ見ゆる 秋のよの月 よみ人しらず

■ 訳

秋の夜、明るく輝く月は白雲を浮かび上がらせて、羽を重ね合わせるかのように連ねて飛んでいる雁の数まではっきりと映し出すようだよ。

■ 解説

「白雲(しらくも)」は白い雲、「はねうちかはし(羽打ち交はし)」は羽を重ね合わせ、「とぶかりの(飛ぶ雁の)」は飛んで行く雁(雁行)の、「かずさへ」は数までも、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は古今和歌集 第四巻(秋歌上 191首目)に収録されています。
「題しらず」となっているため、詳細は不明です。

■ 豆知識

「よみ人しらず」とあるため、作者は不明です。

雁(がん、かり)はカモ目カモ科の水鳥の総称で、渡り鳥として越冬のため昼夜問わず飛ぶことが知られており、短歌においては枕詞「遠つ人(とほつひと)」が掛る言葉、俳句では秋の季語としても使われます。
雁は現在数が激減しており、国内では禁猟になっています。

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