こひこひて(前齋宮河内)

短歌 に関する記事

こひこひて 今宵ばかりや 棚機の
枕にちりの 積らざるらむ 前齋宮河内

■ 訳

恋し続けて、(ようやく逢えた)今夜だけは、織姫の枕に埃は積もらないでしょう。

■ 解説

「こひこひて」は恋し続けて、「今宵ばかり」は今夜だけ、「棚機(たなばた)」は織姫、「積らざるらむ(つもらざるらむ)」は積もらないだろう(”らむ”は推量)、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は金葉和歌集 第三巻(秋歌)に収録されています。
題に「七夕の心をよめる」とあります。
ちなみに、この詩は堀河院百首で詠まれた詩です。

■ 豆知識

作者は俊子内親王家河内(としこないしんのうけのかわち)で、堀河天皇の女御で鳥羽天皇の生母である藤原苡子(ふじわらのいし)に仕えた女房で、後に後三条天皇の第二皇女である俊子内親王に仕えたました。

資料によっては、前齋宮河内(さきのさいぐうのかわち)以外の別名として百合花(ゆりはな)、藤原永相女(ふじわらのながすけのむすめ)、河内など名で書かれることがあります。
なお、同じく歌人として知られる永縁僧正(ようえんそうじょう)は兄に当たります。

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