武隈の(能因)

短歌 に関する記事

武隈の 松はこのたび 跡もなし
千歳を経てや われは来つらむ 能因法師

■ 訳

武隈の二木の松は、今回の旅ではその跡すらない。
長い時を経て(また育って)くれよ。私はきっと(その姿を見に)来るだろう。

■ 解説

「武隈の 松」は宮城県岩沼市にある二木の松(歌枕)、「このたび」は今回の旅、および此度、「千歳(ちとせ)」は長い時、「われは来つらむ」は私は来るだろう(推量)をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は後拾遺和歌集 第十八巻(雜四)に収録されています。
題に「みちの國にふたゝび下りて後のたびたけぐまの松も侍りざりければよみ侍りける」(陸奥国に再び下向したところ、武隈の松が無くなっていたので詠んだ)とあります。

■ 豆知識

作者は能因(のういん)で、中古三十六歌仙の一人です。
小倉百人一首では69首目、「嵐吹く…」が選歌されています。

能因法師は頻繁に諸国へ旅しており、陸奥、遠江、美濃、伊予、美作などが知られています。
初めて陸奥に赴く際に白河の関を超えた時に詠まれたとされる、「都をば 霞とともに 立ちしかど 秋風ぞ吹く 白河の関」は、後の歌人にも多大な影響を与えました。(この詩は次回説明します。)

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