■ 解説
「あくるもしらず(明くるも知らず)」は(夜が)明けたことも知らないで、「かなしかるらむ(悲しかるらむ)」はどうして悲しいのだろう(原因の推量)、をそれぞれ意味します。
■ この詩が詠まれた背景
この詩は古今和歌集 第四巻(秋歌上 197首目)に収録されています。
題に「これさだのみこの家の哥合のうた」とあることから、是貞親王歌合(これさだのみこのいえのうたあわせ)で詠まれた詩です。
■ 豆知識
作者は藤原敏行(ふじわらのとしゆき)で、三十六歌仙の1人です。
小倉百人一首では18首目、「住の江の…」が入集しています。
能書家として知られ、現存する三絶の鐘は国宝に指定されています。
宇治拾遺物語、巻第八 102段「敏行朝臣の事」に、不浄の身で写経したため、地獄に落ちて苦しんだと記されています。
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