竜田河(よみ人しらず)

短歌 に関する記事

竜田河 錦おりかく 神な月
しぐれの雨を たてぬきにして よみ人しらず

■ 訳

竜田川に紅葉が押しては返し流れている神無月。
まるで時雨の雨水を縦糸と横糸にして錦を織っているようです。

■ 解説

「竜田河(たつたがわ)」は現在の奈良県斑鳩町に流れている竜田川(歌枕)、「錦おりかく(にしき折り掛く)」は美しい絹織物が波となり寄せては返す、「たてぬきにして(経緯にして)」は織機の縦糸と横糸、をそれぞれ意味します。
「錦」の部分は実際には川を流れる紅葉などを指しています。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は古今和歌集 第六巻(冬歌 314首目)に収録されています。
題に「題しらず」とあるため、詳細は分かりません。

■ 豆知識

「よみ人しらず」とあるため、作者は不明です。

竜田川が紅葉で埋まる様子は、在原業平の詩にも登場しています。
この詩ではさらに絹織物である錦と時雨の雨水を機織りになぞらえて詠んでいます。

■ 関連地図

コメント

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。


コメントを書く

お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: