おほぞらの(よみ人しらず)

短歌 に関する記事

おほぞらの 月のひかりし きよければ
影見し水ぞ まづこほりける よみ人しらず

■ 訳

空の月があまりに清く輝いていたものだから、月を映していた(庭池の)水が真っ先に凍ってしまったよ。

■ 解説

「影見し(かげみし)」は(月が)映っていた、「まづこほりける(先づ凍りける)」は真っ先に凍り付く、をそれぞれ意味します。
ここでの「水」は庭の遣り水や庭池を指します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は古今和歌集 第六巻(冬歌 316首目)に収録されています。
題に「題しらず」とあるため、詳細は分かりません。

■ 豆知識

「よみ人しらず」とあるため、作者は不明です。

月の清さと凍り付く寒さのイメージの結びつきですが、冬は気温が低下することで空気中の水蒸気が減って空気が乾燥し、それに伴って空気中の塵やごみが減るため、普段よりも澄んで見えるそうです。
ちなみに、俳句には冬の月を指す、”凍月(いてづき)”という季語があります。

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