落積る(前大納言公任)

短歌 に関する記事

落積る もみぢ葉見れば 大井川
堰にとまる 秋にぞありける 前大納言公任

■ 訳

大井川の井堰に残っている、紅葉し落葉して積もっている落ち葉を見ると、(少し前まで)秋だったのだなぁ。

■ 解説

「落積る(おちつもる)」は(葉が)落ちて積もる、「もみぢ葉(紅葉ば)」は紅葉した葉、「大井川(おほゐがは)」は現在の静岡県中部を流れる川(歌枕)、「堰(ゐせき)」は川水をせきとめる所、「とまる(留まる)」は消えずに残る、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は風雅和歌集 第八巻(冬歌)に収録されています。
題は「十月一日おほ井にまかりてこれかれ歌詠みけるに」(十月一日に大井に招かれて、あれやこれやと歌を詠んだときに。)とあります。
旧暦では10月から暦の上で冬となるため、この詩は秋の名残を詠んだ詩となります。

■ 豆知識

作者は藤原公任(ふじわらのきんとう)です。
小倉百人一首 55首目に「滝の音は…」が選歌されています。

大井川は川幅が広くて流れも速く、さらに水はけが悪くて度々氾濫したため、難所として知られています。
渡河の難しさは箱根馬子唄でも、「越すに越されぬ 大井川」と唄われています。

平安時代に行われた大井川の治水工事として、現在の静岡県島田市付近に飛田堤防(とんだていぼう)が築かれていたことが知られています。

■ 関連地図

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