もみぢ葉の(後二條院御歌)

短歌 に関する記事

もみぢ葉の 深山に深く 散敷くは
秋の歸りし 道にやある覽 後二條院御歌

■ 訳

紅葉した葉が奥深い山に、落ち葉を一面に散らし敷いたのは、秋が帰った道なのだろうか。

■ 解説

「もみぢ葉」は紅葉した葉、「深山」は奥深い山、「秋の歸りし(あきのかえりし)」は秋が帰った(去った)、「道にやある覽(みちにやあるかな)」は道なのだろうか、をそれぞれ意味します。
この詩では秋という季節を擬人化しています。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は風雅和歌集 第八巻(冬歌)に収録されています。
題は「百首の御歌の中に」とあることから後二条院御百首の際に詠まれた詩と思われます。

■ 豆知識

作者は後二条天皇(ごにじょうてんのう)で、第94代天皇です。
後に南朝となる大覚寺統の天皇で、北朝となる持明院統との混乱の中、わずか24歳で崩御されました。

在位されていた時期は、大覚寺統と持明院統の争いが激しくなりつつある最中で、南北朝に分裂する過渡期に当たります。
28年後にあたる1336年、後醍醐天皇が吉野に転居したことで、朝廷は完全に分裂することになります。

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