雪ふれば(紀貫之)

短歌 に関する記事

雪ふれば 冬ごもりせる 草も木も
春にしられぬ 花ぞさきける 紀貫之

■ 訳

雪が降ると草も木も冬ごもりするが、春には見られない花(雪化粧)が咲いたよ。

■ 解説

「冬ごもり(ふゆ籠り)」は冬の間動植物が活動をひかえること(”春”に掛る枕詞)、を意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は古今和歌集 第六巻(冬歌 323首目)に収録されています。
題に「冬のうたとて」とあります。

■ 豆知識

作者は紀貫之で三十六歌仙の一人、土佐日記の作者、古今和歌集の撰者の一人として知られています。
小倉百人一首では35首目、「人はいさ…」が選歌されています。

「冬ごもり」は俳句では冬の季語として使われます。
この詩で詠まれる「花」を「冬ごもりせる 草も木も」から、雪化粧と訳しました。
雪を花と例える和歌は割と多く、古今和歌集 324首目でも詠まれていますので、次回紹介します。

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