神無月(攝政家三川)

短歌 に関する記事

神無月 時雨の雨の ふる儘に
いろいろになる すゞか山かな 攝政家三川

■ 訳

神無月、時雨が降るにつれて色とりどりに紅葉してゆく鈴鹿山だわ。

■ 解説

「神無月(かみなづき)」は(旧暦)10月、「ふる儘(降るままに)」は降るにつれて、「いろいろになる(色色になる)」は色とりどりになる、「すゞか山(鈴鹿山)」は滋賀県と三重県との境界にある山(歌枕)、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は金葉和歌集 第四巻(冬歌)に収録されています。
題に「時雨をよめる」とあります。

■ 豆知識

作者は摂政家三河(せっしょうけみかわ・法性寺殿三河とも)で、摂政で法性寺関白とも呼ばれた藤原忠通の女房です。
源仲政(みなもとのなかまさ)の娘で、源頼政(みなもとのよりまさ)は兄に当たります。
勅撰和歌集には6首が入集しています。

兄である頼政は後に以仁王に付いて挙兵しますが失敗して自害します。
しかし、以仁王が発した平氏打倒の令旨は反平氏の旗印となり、治承・寿永の乱に繋がります。

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