なかぬなら(よみ人しらず)

川柳 に関する記事

なかぬなら 殺してしまへ 時鳥 織田右府
鳴かずとも なかして見せふ 杜鵑 豊太閤
なかぬなら 鳴まで待よ 郭公 大権現様
よみ人しらず

■ 訳

「鳴かないホトトギスなんか、殺してしまえ!」(織田信長)
「鳴かなくても、なんとか鳴かせてやるぞ!ホトトギス!」(豊臣秀吉)
「鳴かないホトトギスなら、鳴くまで待とうじゃないか。」(徳川家康)

■ 解説

非常に有名な川柳なので解説する必要もないと思いますが、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康が鳴かないホトトギスにどのようにして鳴かせようとするかを考察した川柳です。
当然のことながら、当人が詠んだわけではありません。
(作者も不明です。)

■ この詩が詠まれた背景

この詩は肥前国平戸藩第9代藩主の松浦静山(まつらせいざん)によって書かれた随筆集、「甲子夜話(かっしやわ)」に載せられている川柳です。
甲子夜話は、文政4年(1821年)11月17日の甲子の夜に書きはじめられ、静山が亡くなるまでの20年間書き続けられました。
正編100巻、続編100巻、三編78巻という大作で、当時を知る上での資料としても大変貴重なものです。

■ 豆知識

甲子夜話の作者である松浦静山(松浦清)は藩の財政の立て直しや学問の推奨などを計画的に行って成功に導きました。
知識欲旺盛で参勤交代の途中でその土地の古老を尋ねたり、学者や他の藩主との交流を深めるなどして、多くの知識を身につけており、その集大成ともいえる甲子夜話には静山の膨大な知識を垣間見ることができます。

静山は多くの子宝に恵まれており、明治天皇はひ孫にあたります。

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