ゆきふりて(凡河内みつね)

短歌 に関する記事

ゆきふりて 人もかよはぬ みちなれや
あとはかもなく 思ひきゆらむ 凡河内みつね

■ 訳

雪が降って人も通らない道は、(道がどこにあるかも分からず)行方を知る手立てもなくて、途方に暮れてしまうだろうなぁ。

■ 解説

「あとはかもなく」は痕跡も無く、行方を知る手立てもなく、「思ひきゆらむ(おもい消ゆらむ)」は深く思い沈んでしまうだろう、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は古今和歌集 第六巻(冬歌 329首目)に収録されています。
題に「雪のふれるを見てよめる」(雪が降っている様子を見て詠んだ)とあります。

■ 豆知識

作者は凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)で、三十六歌仙の一人、古今和歌集撰者の一人です。
小倉百人一首では29首目、「心あてに…」が選歌されています。

雪が降って道が消えてしまう様子は、他の歌でも詠まれています。
以前紹介した古今和歌集 322首目でも、似た様な情景が登場しています。

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