をぐろさき(よみ人しらず)

短歌 に関する記事

をぐろさき みつのこじまの 人ならば
宮このつとに いざといはましを よみ人しらず

■ 訳

もし(眉目麗しい)小黒埼や美豆の小島が人であったのなら、都へのみやげとして、さぁ!(一緒に行こう)と誘ったろうに。

■ 解説

「をぐろさき(小黒埼)」は現在の宮城県大崎市鳴子温泉にある小黒ヶ崎山(歌枕)、「みつのこじま(美豆の小島)」は現在の宮城県大崎市鳴子温泉の川渡大橋から下流に約4km下った場所(歌枕)、「宮このつと(みやこの苞)」は都へのおみやげ、「いざといはましを」はさあと言うのだろうけど(”まし”はもし〜であったなら〜だろうに)、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は古今和歌集 第二十巻(東歌 1090首目)に収録されています。
題に「みちのくのうた」(陸奥国の詩)とあります。

■ 豆知識

古今和歌集に作者名自体が書かれていないため、作者は不明です。
ここでは「よみ人しらず」としていますが、万葉集のように「時人」の方が近い気もします。

「人ならば 宮このつとに いざといはましを」という表現は伊勢物語などにも登場しています。
第十四段の「くりはらの あねはの松の 人ならば 宮このつとに いざといはましを」
で、ここでは松を人に例えて詠んでいます。

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