樣々の(大炊御門右大臣)

短歌 に関する記事

樣々の 草葉も今は 霜がれぬ
野べより冬は 立ちて來つらむ 大炊御門右大臣

■ 訳

(秋頃まであった)さまざまな草や葉も今では霜で枯れてしまった。
冬は野原からやってくるのだろう。

■ 解説

「樣々の(さまさまの)」はいろいろな、「霜がれぬ(しも枯れぬ)」は霜で枯れてしまった(”ぬ”は完了)、「野べ(野辺)」は野原、「立ちて來つらむ(たちてきつらむ)」はやってくるのだろう(”らむ”は推量)、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は千載和歌集 第六巻(冬歌)に収録されています。
題に「百首の歌めしける時初冬の心をよませ給うける」(久安百首(久安6年(1150年)に行われた歌合)のため(人を)お呼びになられた際に初冬の心をお詠みになられた)とあります。

■ 豆知識

作者は徳大寺公能(とくだいじきんよし)で徳大寺家の二代目当主です。
娘である藤原忻子(ふじわらのきんし)が後白河天皇の中宮となったことで、要職に抜擢されるようになりました。
多芸多才で詩歌管絃に優れており、その才能は息子である徳大寺実定(とくだいじさねさだ)にも引き継がれています。
ちなみに勅撰和歌集には公能が詠んだ詩は33首入集しています。

息子であり、三代目当主である実定が詠んだ詩は小倉百人一首にも選ばれており、81首目に「ほととぎす 鳴きつるかたを ながむれば…」が選歌されています。

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