花の色は(小野たかむらの朝臣)

短歌 に関する記事

花の色は 雪にまじりて 見えずとも
かをだににほへ 人のしるべく 小野たかむらの朝臣

■ 訳

(梅の)花が(降りしきる)雪に紛れて見えなくても、咲いている場所を人に教えるよう、せめて香りだけでも匂って欲しいものだ。

■ 解説

「あとはかもなく」は痕跡も無く、行方を知る手立てもなく、「かをだににほへ(香をだに匂へ)」は(せめて)香りだけでも匂って欲しい、「人のしるべく(ひとの知る辺く)」は人が知るように(”べく”は推量)、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は古今和歌集 第六巻(冬歌 335首目)に収録されています。
題に「梅花にゆきのふれるをよめる」(花の咲いた梅の木に雪が降っている様子を見て詠んだ)とあります。

■ 豆知識

作者は小野篁(おののたかむら)で、遣隋使として知られた小野妹子(おののいもこ)の五代目の子孫に当たります。
書家として高名な小野道風(おののどうふう:花札の柳の札に描かれていることで有名です)、藤原純友の乱を鎮めた武人である小野好古(おののよしふる)、絶世の美女と知られる小野小町(おののこまち)はいずれも篁の孫です。
小倉百人一首では11首目、「わたの原…」が選歌されています。

篁の孫に当たる小野小町もまた「花の色は」から始まる詩を詠んでおり、小倉百人一首 9首目に選歌されています。
なお、小町の詠んだ「花」は桜の花を指します。

コメント

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。


コメントを書く

お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: